アクセル・ホネットの「承認理論」


私は山口周さんのファンで、いつもブログや書籍で学びを得ています。

こちらの記事で承認理論について紹介されており、在宅医療・緩和ケアにも通ずるところがあると感じましたのでご紹介します。

https://note.com/shu_yamaguchi/n/n4676f321ce01?sub_rt=share_sb

自分らしく生きることと、「承認」

私たちは、患者さん一人ひとりが自分らしく尊厳を持って生きるためには、「承認」の存在がとても大切だと考えています。この考えは、現代の社会理論として注目されているアクセル・ホネットの「承認理論」が参考となっています。人は、情愛・権利・連帯という三つの承認を通して自己実現し、社会の中で居場所や役割、生きがいを見出すことができると言われています。

三つの「承認」に基づく医療

  1. 情愛による承認
    家族や親しい間柄での温かい承認。これは患者さんの自信や安心感を支えます。しかし現代社会では核家族化が進み、無条件に受け入れられる経験が得にくくなっています。この情愛に焦点をあてたコミュニケーションや医療提供が求められているのではないでしょうか。
  2. 権利による承認
    法的・社会的な権利が認められることで、自尊心が培われます。医療を始め社会保障サービスはすべての人に対して公平・公正な医療提供に努めており、多様な背景を持つ方々の権利が守られることを重視しています。
  3. 連帯による承認
    社会や地域の中での役割や貢献が「価値ある」と認められることは、自己効力感を高めます。医療や介護、地域の仲間たちと連携しながら、ご本人やご家族が無理なく地域社会で存在を認め合う環境づくりに取り組んでいます。

現代社会と「承認」の課題

現代では家族や社会とのつながりが希薄化する中で、「情愛」や「連帯」「権利」といった承認の形態が揃いにくい状況にあります。そのため、こもれび在宅診療所では、医療の枠を超え、患者さんやご家族が“自分らしく生きる”ことを多面的に支えていく姿勢を大事にしています。


締めくくり

在宅医療は、検査や手術、投薬だけで成り立つものではありません。こもれび在宅診療所は、地域や社会と共に、人間本来の「承認」が循環する医療・介護のあり方を目指していきます。どんな状況にあっても、一人ひとりの「存在」の価値を大切にする診療所であり続けたいと願っています。

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